渋々医局へ入る果織ちゃん。
「…顔色は悪いって訳じゃないね。
果織ちゃん、口、開けて?」
片手コーヒー。
片手ファイル。
手で頬を包んだり、顔を少し上にしたり…
手が使えずに、それができない俺。
「もうちょっと上向いて……」
って言うけど、なかなかいいポジションにならない。
あぁ、手を使いたい。
「蒼先生……何してるんですか。」
果織ちゃん目の前に、うねうね体を動かして何とか喉を見ようと必死な俺を見て、呟く高島。
「あ。高島、果織ちゃんの頬、ほら、喉見るときの。
そう、それやって?見えなくて。この位置」
「あぁ、はい」


