「蒼先生…」
さっきから、机の上が、あちこちの方向から運ばれ………
どんどん積まれて机の上に物が置けないほどのファイルの山になっていたとき。
島内さんが控えめに医局の入り口から俺の名を呼ぶ。
片手にコーヒー、片手にファイルだった俺。
机の上に置けるはずもなく、俺は両手の塞がったまま返事。
「どうした?」
「あの。果織ちゃん、喉痛いって言い出してし篠森先生が診て下さるって言ったんですけど…。
やだって……言うもんで。薬、出したいんで軽く診ていただけますか?。」
「……果織ちゃん?いいよ。
あ、今両手離せないんだった。果織ちゃん中入っていいよって言ってくれる?」
島内さんの後ろに隠れている様子の果織ちゃん。


