「そういえばさ。何?白衣愛してますか?って」
「……あ、僕……。もう白衣といっそ結婚しようかな」
「………あのなぁ。………白衣と結婚するのは勝手だけどさぁ、もっと現実見ろ、現実」
「わかってますよ……そんなこと」
「彼女いんだろ。だって。十分いいじゃん」
「…………はぁー」
「もう、気持ち切り替えないと、精神科行く羽目になるぞ」
と、検査結果のファイルを開く。
「……大丈夫です。心だけはキャベツの芯のように固いんで」
……さっきまで内科医に「精神科に行く羽目になるぞ」と言われていたのは誰だ。
「とにかくさ。…忘れてそうだから言っとくけど。
…………季蛍の病室、行ってきな」
………。
その言葉を聞いた高島の手から、ペンが落ちる。
「……わ、わわ、忘れてなんかないですよー。まさかー。
…まさかー。……………後で行こうかな~って思ってた所なんです~
………行ってきます」
と、ペンを拾わず医局を飛び出す高島。
………唯一のペンなんだろ、落としていいのか?
なんて思いながら。


