なかなか目を覚まさないので、病室のテーブルに置いたマフィンの側に椅子を置き、腰掛けた。 その時 「………ん」 と声が聞こえて、ベッドを見ると、体を起こしている季蛍がいた。 「……季蛍、おはよ。大丈夫?」 「………ん」 「これ、外して」とマスクを指差す季蛍。 「……いいの?呼吸平気?」 頷く季蛍の酸素マスクを外して、咳き込む季蛍の背中をトントン軽く叩いた。 「……蒼ッ」 胸元に抱きつく季蛍は、まだ息が苦しそうだったけど。