「愛優ちゃん、大丈夫?」




看護士が背中をさすりながら聞く。




大丈夫じゃないから苦しんでるんだ、と看護士さんに叫びたくなるほど苦しい。









「愛優ちゃん、体起こしてもいい?吸入吸えない?」







…苦しくて体なんて到底起こせそうにない。






だけど、吸入を吸えば楽になるってわかってる。







だけど…。






その時、看護士さんが声を上げる…。








「蒼先生、」








「……ん、愛優…吸入は?」







横になって苦しむ私のブラウスのボタンを開けていくパパ。








吸入は?ときかれて、首を振る。







「吸ってないの?……」






と言いつつ、服の中に聴診器が入ってくる。







「えーっと、宮川さんね、ステロイド取って」





「あぁ、はい」







「……。ありがと。


愛優、点滴刺すよ。」






頷いた直後、点滴が刺される感覚がした。








未だ入っている聴診器が、服の中を動き回る。







「………ッ」






「そろそろ楽になるから。目閉じて。少し寝て」








「………うん」