処置室のベッドに季蛍を下ろす。
「季蛍。俺、わかる?」
「…た」
「わかるね?ちょっと服開けるから」
その時、走ってきた上野先生が処置室に入る。
「高島ッ。季蛍さんの意識がないって?」
「ないです。発作起こしたのか、ただ意識が飛んだのかわかんないですけど」
と言いつつ、聴診器を服の中に滑り込ませた。
「ん、苦しッ……………」
と、微かすぎる声で言う季蛍。
「脈拍大丈夫?」
「今のところ大丈夫です」
「季蛍さーん。点滴入れるよ」
冷静にテキパキ動く上野先生。
上野先生がいて良かったと思った。
俺だけじゃ、正直ちゃんと対処できていた自信がない。
そんなこといったら、頼りないって言われそうだけど。


