それから数十分しても、蒼先生が帰ってくる気配もなければ、季蛍が戻ってくる気配もない。 「季蛍さん、大丈夫かな」 と、上野先生が言う。 「あッ、僕見てきます。上野先生、連絡待ってて下さい、お願いします」 「あ、そう?わかった」 「お願いします」 と部屋を出て、ここから一番近いトイレへと走った。