「…………………。
あら」
「あらじゃないよ!もう少しで終わりそうだったのに…‥。
……なぁつぅきぃ!!」
「きゃあーッ」
ニコニコしながら逃げていく夏来。
完全に楽しんでるぞ、夏来。
はぁー、と溜め息をついてまた椅子に座る。
「……しょうがない」
「ご飯できたよ」
季蛍がテーブルにドンドン並べていく。
「……愛優は?」
「あー。なんかさ、愛優ね、今年受験生じゃん?だからすごく焦ってるっていうか…‥」
「……焦ってる?」
「だから、今から勉強徹夜でやってる、みたいな。」
「だって…まだ夏休みも来てないわけだし」
「それはそうなんだけどね、やっぱり受からなかったら、蒼と私に迷惑かけると思ってるから。
それなりに頑張ってるらしくて。」
「……うーん」
「最近はずっと部屋に閉じこもって、勉強してる。今からでも早くはないと思うけど、自分を追い込むのが早いっていうか……」
「要するに焦ってるわけね、愛優は。」
「そうそう、だから勉強をするだけには、早くはないけど、もく『受からなかったらどうしよう』とか。
自分を追い込むのが早いの。愛優」
「…………」
「ご飯も勉強するからっていって部屋で食べてるし。」
「…………」