屋上だから余計に風の抵抗が激しい。 けど、俺たちには風など気にしていられなかった。 バタバタとなびく二つの白衣。 「……もッ、離したりしない?」 「もう、って俺は季蛍を離してない。」 「……そっか…、 じゃあ、これからも離さない?」 グスンとタオルで涙を拭いた季蛍が俺を見上げる。