………─────辿り着いたのは、屋上だった。 ゆっくりドアを開ける。 そこには、白衣がバタバタ風になびいて、涙を流す季蛍がいた。 「……こんなとこで何してんだよ。」 屋上に足を踏み入れた瞬間、俺の白衣も風をき切ってバタバタなびいた。 タオルで顔を覆う季蛍。 その目は真っ赤………。 この間に増して真っ赤だった。 雲行きが怪しくなっているのにも関わらず、俺らは互いに顔を見つめ合う。