───………こんなに季蛍と噛み合わなかったことは初めてだ。 結婚して以来。 『大型の勢力を持つ 台風─号は今日、○○側に上陸する可能性が──── そんなニュース番組に釘付けの俺と、高島。 「………蒼先生、よく台風ごときに夢中になっていられますね。」 季蛍といろいろあるのに、と付け加えてまた食い入る高島。 「……ごときじゃないだろ。台風情報重要」 「……ですね。今日風強いみたいですよ?」 「……だな」