「………季蛍の想ってることを聞かせてほしい。この前のだけで全部じゃないはず。」 「…………」 「時間がかかってもいいから、話そう。」 「───」 「ちゃんと。これは話さなきゃいけないことだから。」 「……………」 「この間のこと以外に、俺にぶつけてほしい。不満も、恨みも、全部」 「……無理」 立ち上がって、待合室を去った季蛍を俺は止めたりしなかった。