女みたいな顔をしたあいつと出会ったのは、もう随分と昔のことだ。




「紘、あいつ変なんだよ」


「あいつって、夏季?」


「そうそう。いつも一人でさあ」




その頃の俺は、なんというかクラスの中心人物で。



良くも悪くも目立つ存在だった。



ガキ大将というやつだ。



だから研磨とは全く関わりがなかったんだ。




「夏季、ひとりで何考えてんだろうな」


「顔綺麗だよな」


「女みてえ」




その頃の研磨と言うと、小学生とは思えない中性的な顔つきで、俺とは違う意味で注目の的だった。





研磨はそれを心底嫌ってたらしいけど。