初春のめでたい膳が並び、新年会らしくぱぁっと賑やかに飲みかわすはずが、重苦しい空気が漂っていた。
ミヤさんとの約束通り、恋雪との交際を報告するつもりでいたのに、話は思わぬ方向へとそれ、楽しい話ではなくなっていた。
難しい顔になったご隠居さんたちと、厳しい顔の愛華さん、恋雪は怒ったようにツンとした顔で、特別参加の矢部さんは話の背景をのみこもうと真剣に俺の話を聞いている。
俺と恋雪のこれまでの事情を知らない矢部さんにまで聞かれることに抵抗があるが、この際仕方がない。
「彼女が結婚したのは知ってます。でも、子どもが生まれたのは知らなくて」
「その子はタケちゃんの子かもしれないのか。
子どもが生まれても、その子が本当に自分の子であるか、男にはわからないんだよな」
「うん、男は信じるしかない。今はDNA鑑定ってのもあるけどね。
タケちゃん、検査してみるかい?」
「いや、それは……彼女が、僕の子だというのなら、そうなんだと思います」
「ほぉ、潔いじゃないか」
「そんなことないです」
ご隠居さんたちに問われるまま返事をした。
深雪が俺の子だというなら間違いなくそうだろう。
深雪の言葉を疑うつもりはない。
恋雪は、北条の作り話だと言うけれど、そうとも言い切れないじゃないか。
また沈黙がたちこめた。
しばらくして、愛華さんが口を開いた。
「もし、その女性があなたの子どもですと言ったら、西垣さん、どうするつもり?」
「法的な詳しいことはわかりませんけど、出来るだけ力になろうと思います。
その子にかかる養育費とか、ほかにも父親としてやるべきことがあるのなら、義務を果たすつもりです」
「義務……寂しいわね」
責めるような口調だった。



