「?…あ、もしかして違った…?」
袴のイケメンは顔をしかめ、申し訳なさそうな顔になる。
「いえっ!書道部希望です!」
声までかっこいい…本当に見惚れる…。
「そっか、良かった。おいで、こっちだよ。」
私は袴のイケメンに手招きされ、書道室に無事にたどり着けた。
「新入生ちゃん、いらっしゃーい!」
《ええええええええっっ!!?》
軽やかな声と共に女の人2人が、私に全力で飛びついてきた。
「えっ!?ちょっ……あのっ!!」
「女の子ー!きゃー、可愛いーー♡」
「えと…あのっ…!」
「もー、照れちゃって♡可愛いねぇー」
「こら、お前らやめろ!新入生が嫌がってんだろ。」
見ると、袴のイケメンがひょいっと猫を運ぶように、2人の袴の襟をひっぱっていた。
「ぶーーー、隼人のけちぃ。」
「むぅ、そうだよ〜。いいじゃない。」
「お前らなぁ…はぁ…」
袴のイケメンはどうやら隼人さんと言うらしい。メモメモ…。
「あの、私、水城悠理といいます!書道部に入部しに来ました!よろしくお願いします!!」
ぺこりと頭を下げると、先輩方がこちらを向いてニコッとしてくれた。
「「「よろしく!」」」
