「うわぁ〜……」
私は目をつむり、頭を押さえていた。
時は戻って10分前。
2人と別れた直後。
「書道室ってあっちかな。」
5分後。
「こっちかな。」
10分後。
「ここ…どこ…」
はい、現在進行形で絶賛迷子中です。
《ここ広すぎ!!!迷うわ!!!》
心の中で毒づきながら、足をむやみやたらに進めていく。
「人が、おらん…!」
そう、校舎内なのに人がいない。
みんな部活動に引きこもってるらしいけど、廊下に1人もいないってどうよ。
「んー?今は4階で…って書道部に2階じゃん!!!」
降りなきゃ!!!って、闇雲に周るからこうなるんだよね。
反省しつつも、階段を駆け下りる情けない私。
そして。
「あーーったーーー!」
感動の書道室との初対面。
と、思わぬ再会。
「君、書道したいの?」
《袴のイケメンおった…!!》