「駄目です!そんなに血が出ていて、痛くないわけないです!」
「え、……ちょっと……」
私は、彼の左腕の袖をめくり、傷口を見た。
う…痛そう。
「ちょっと待ってて下さい」
私は今まで以上に全速力で走って、近くのコンビニで包帯とタオルを買った。
洗面所で、買ったタオルを水に濡らす。
買って戻ると、彼は私を見て不思議そうに首を傾げた。
「傷口、痛まないですか?」
「特には」
「よかったです!
あ、傷口洗いますね。少ししみるかもです」
彼の傷口を濡れたタオルで洗う。
「……っ」
顔がゆがむのが見えた。
心の中でごめんなさいと、謝る。
