狼君の孤独



「あ、悠李!どこ行ったか心配してたんだよ!?」



やっぱり。

悠李って呼ばれる人は、さっきの人で。



「瀬戸口君、…」



バチッと、私は瀬戸口君と目が合った。



胸の鼓動が速まる。




「悠李!早く帰ろーよー!」


瀬戸口君は、手を引かれて二人に連れて行かれる。






「あの、瀬戸口君!!
さっきはありがとうございました!!」




私は近所迷惑なくらい、大声で叫んだ。



瀬戸口君は、微笑んでくれたような気がした。








これが全てのはじまりだった。