狼君の孤独



「他人のことばかりしてないで、自分のこともしないと駄目だ」

「……ふぇっ?」




彼の綺麗な顔が近づいた。



速まる胸の鼓動。




「あ、あの…?」










────ペロッ。

「ひゃぁ!?」










彼は、私の頬を舐めた。










な、な、な、…っ!


みるみるうちに顔が赤くなる。



「な、何ですかっ!」

「頬から血が出てたから。濡れたタオルは俺に使ったから、消毒しただけ」

「そ、……そういうこと…ですか」




私、不覚にもドキドキしてしまった。