私が考え事をしているため自分のなかに入り込み、
渡神先輩は相変わらず顔を背けたままっていう、なんとも不思議な状態がここに醸し出された。
そんな中、ある一点がざわつき始めた。
私は自分の中に閉じこもっていたからわからなかったが、そのざわつきは、次第に私たちのところまで到達してきていた。
「弥亜ー。おーい。返事しろーー。」
その言葉でもなかなか気づかない私に向かって、ざわつきの原因である“彼”は、
「弥亜ーーーーーーーーー!!!!!自分の中から出てこーーーい!!」
と私の耳元で叫んだ。
「わっ?!もう、誰よ!!!なんて迷惑な・・・・・・!!?」
私はそこまで言って言葉を飲み込んだ。
何故なら、私が見たところに立っていた、ざわつきの原因が・・・
羅霧くんだったからだ。――――――