「ひ、ひゃいっ!!!」

なんとも無様な返事をしながら振り向いた先には、
渡神先輩が立っていた。


「・・・あ、渡神先輩・・・・・・こ、こんにちは」

「あはは。おはよう」


ああ、ちくしょう!

間違えてこんにちはって言って、先輩に訂正された!!!


・・・って、なんで私こんなに慌てふためいてるんだろう・・・

もう、関係ないはずなのに・・・


「こんなところでどうしたの?教室に入りにくいの?」

私が心と葛藤していると、渡神先輩がごもっともな言葉を私に向けて言った。


「あ・・・はい・・・友達とケンカしちゃって・・・それで入りにくて・・・」


省略して相手に聞こえやすそうに言って失敗した人の末路をみてしまった気がした。

・・・自分自身で。