5,6限の授業が終わり、私は屋上へ来ていた。


私は部活に入っていないから、授業が終わればすぐ屋上へ来ている。


それが毎日の日課になっていた。


少し古びたドアが鈍い音をたてて開く


そして、屋上の端にある段にのぼって大きく背伸びをする。


こうすると少しだけ空に近づいた気がする。そして、裕に少しだけ近づいた気がする。


手を伸ばしたってこれっぽっちも届くはずなんかないのに。


下からはグランドで部活中の生徒の声が聞こえる。


「ふぅ…風が気持ちいい…」


両手を広げると風が体全体を包み込む。


キィ…ガチャッ…