「ところで、
先生の用事って何ですか?」
「え?!
いや、食事に行くんだけど…」

先生が照れてる?
ってことは、
それ、用事つーか、

「菅野先輩とデートですか?」
「っ!!
なんで、分かった?!」

なんか、
先生をいじってみたくなった。

「先生が照れるのなんて
それくらいしかないじゃないですか。」
「今の割とショックだったよ?!

俺ってそんなに単純?」
「さあ、どうでしょう?」

これ以上は本気で落ち込みそうなのでやめておく。

でも、俺は先生のこういうところも好きだ。

「早く行かなきゃいけないんでしょ?
先生。

菅野先輩を泣かせたら、
許さないって言ったでしょ。」

先生は少し目を見開くと、

笑顔で、

でも、真剣な顔で

ゆっくりうなずいた。


「窓口も人には
言っておくから、

なんかあったら、
すぐ言うんだぞ?」

先生はまだ心配してるけど、

そこまで心配することじゃないと思うんだけどな。

「大丈夫ですって。」

俺はそうはにかんだ。