大好きだから、幸せになって。

ドンッ

背中で誰かとぶつかる。

「あ、スッスイマセン!」

とまあ、情けないくらい
コミュ障丸出しの声を出してしまう。

「いえ、こちらこそ。
前をちゃんと見てなかったので。」

そう、答えたのは
今、俺がなかなか挨拶をしあぐねていた相手。

橋本到香先生だった。

資料が挟まれたファイルを両手で抱え、
長めの前髪の隙間から
きれいな瞳で、こちらを見ている。

身長的に俺の方が高いので
自然に上目遣いになる。



この時、

俺の鼓動は

驚くほど大きな音をたてた。