あの告白騒動
(などという程のものでもないかもしれないが)
から
早いもので1か月が経ち、
俺は

体育のハードル授業

という名の呪縛から
やっと逃れることができた。

3年生の先輩方が卒業されてから
初めての大会をすぐそこに控え、
俺はキャプテンとして
忙しく動き回っていた。

藤村先生に
プログラムをもらいに行くべく、
俺は昼休みのお弁当の匂いに
お腹が反応するのを感じながら
体育科教室目指して走る。

先生は放課後って言ってたけど、
放課後は部活もある。
さすがにキャプテンが
遅れるわけにはいかない。

今、思えば、あの日、
放課後に行っていれば、
俺は全く違う人生を
歩んでいたのかもしれない。

まあ、仮説にすぎないし、
こんなことを言ったところで
何も変わらないが。