もう面影なんて探さない

「蒼空はこの高校で気になる女子とかいる?」

世間話をしていたと思ったら急にそんなことを聞いてくるりつ。

「わー!!それ聞きたい!!」

便乗してくる、もう一人の軽音部のたかし。

おいおい、勘弁してくれ…。

「いるわけねぇだろ、そんなん。てか、入学早々そんな奴できるわけないだろーが。」

「えー つまんないなぁ、蒼空。彼女作る気あんの?」

「彼女っていうもんはほんとに好きな人がなるもんだろ? 別に作る、作らないの問題じゃない。」

「蒼空…お前カッコいいこと言うよな、たまに…。」

「たまには余計だ、あほ。」

彼女…か。俺は今まで恋をしたことがない。

そんな俺に彼女ができるのか? 

はっ 考えるだけ無駄だな。

先のことなんて誰にもわからねぇもんな。