もう面影なんて探さない

「「着いたー!!」」

それぞれ食べたいものを注文して、席に着いた。

すると…

「ねぇー、夏恋ってさ好きな人とかいないの? あ!! 彼氏いるとか?」

遙香…急に聞いてくるからびっくりしたよ…。 好きな人かぁ…。

「私なんかに彼氏なんているわけないでしょ…可愛くないし。」

遙香はモデル並にスタイルもいいし、可愛い。

男子からもすごくモテてて羨ましいくらい。

それに比べて私は…。はぁ。

「えー、夏恋さもっと自分に自信もちなよー!! 夏恋は気づいてないかもしれないけど、男子から人気あるんだよ!!」

「えー!? 私が? ありえないって!」

思わず苦笑する。まさか私が…あるわけないし。

「ほんとだってー!! 人気あるのっ それで? 好きな人はいるの?」

ニヤニヤして聞いてくる遙香。

好きな人…そう言われて思い浮かんだのはあいつ。

でも、もう戻れないんだ…。

「好きな人もいないよ、恋がしたいなあ。」

そんなことを言いつつ、内心は恋なんてもうしたくないと思ってる自分。

恋は儚くて痛くて苦しいもの。

もう、あんな経験したくない…。

ダメ! 昔のことは忘れなきゃ。もう終わったことだから…。

その後はいろいろな世間話をしながら遙香との時間を楽しんだ。