夏恋side

春はあっという間に過ぎ、今は7月。夏だ。

ミーンミーン

蝉がないている。

「暑い…。」

つぶやく私。

体育祭の日からずっと考えてる。

……蒼空のこと…。

蒼空のこと考えるとドキドキする。

でも、それはきっと笙麻に似てるからで。

いつも行き着く答えはそれ。

だって、それしか考えられない。

蒼空のこと考えると…ドキドキするのはほんとのことだけど………

笙麻の笑顔を思い出すと涙がでてくる。

私は…まだ笙麻のことが好き…。

「…ん…れん…夏恋!!!」

「!?え?」

いきなり、遙香の大きな声が聞こえてきて驚く私。

「もう! ずっと呼んでたんだよ!! なに考えてたの?」

うそ!? ずっと呼んでたの!?

気づかなかった…。

「んー…暑いなぁって思ってさぁ。」

「もう夏休み気分ですかっ(笑) まぁ、もーすぐ夏休みだもんねぇ。」

「そーだねぇ。はやく夏休みになってほしいなぁ。」

「ほんとほんとー。あ!! のど渇いたから一緒にジュース買いにいこ!!」

「おっけー」

よっこらしょっと。

そんなかけ声を心の中でかけちゃう私は夏休み気分なのかもしれない。

「夏恋はさー、夏休みとか予定もう入ってるー?」

「夏休みの予定かー…まだ入ってないなぁ。勉強とかいいから、遊びたい。」

「だよねぇ!! 遊びたいよねぇ!! 合コンとかしたいー!!」

合コンかー… 私は合コンとかやらなくていいのになぁ。

きっと、遙香に強引に連れて行かれるんだろう。

「ね!! 夏恋は合コンとかしたくないの?」

「私かー…別に嫌ってわけじゃないけど…」

そう答えながら前を向くと…

………蒼空…。

てか、なに? めっちゃ不機嫌そうなんだけど。

「きゃー!! 蒼空くんだ!!」

相変わらずそんなことを言って騒いでる遙香。