もう面影なんて探さない

そう思っていると

借り物競走の出場者の召集がはじまった。

「りつ、俺行ってくるわー。」

「おぅ!! 頑張れよ!!!」

「サンキュー。」

まぁ、やるからには一位だな。

てかどんなお題書いてあるんだろ。

ラクなのがいいな。

そんなことを考えていると

「よーい、どん!!!」

借り物競走がはじまった。

落ちている紙を拾って広げると…

……なんだこれ!!

おいおい…こんなの誰が考えたんだよ。

とりあえず、お題はみんなに公表しないでいいらしいからよかった。

でも…このお題ってありかよ…。

そんなとき、俺の頭に浮かんだのは夏恋。

なんでかは分からない。

でも、ここで夏恋を指名しないと後悔しそうだったから。

俺は夏恋を強引にひっぱりゴールまで一気に走った。

なんとか一位になれたけど、それどころじゃない。

お題を聞かれたらなんて答えればいいんだよ。

案の定、夏恋は聞いてきた。

「蒼空、お題はなんだったの?」

やべ、なんて答えよう。

「え!?いや…んー…えっと、最近話した異性っていうお題…。一緒に走ってくれてありがとな!」

そう言ってみるけど、今の俺だいぶ挙動不審。

そんな俺に一位おめでとっていいながら走り去っていく夏恋。