「私なんてほっとけばいいのに
黒瀬君にとって私はただのからかい道具なんだから」
自分でこんなこと言ってるのもイヤなんだけど分かってもらうしか…
「いや、それは違う
俺は自分から山名といたいって思った
俺だけ思ってただけかもしれないけど
一緒にいるのが楽しくてさ
だから何をしてでも許してもらいたい」
そんなの…「弱み握ったからでしょ」
すると黒瀬君は立ち上がって私の隣に腰を下ろした
「この時間、サボらせてもいい?話したいから」
今さら授業なんて出たくないし…
美紅、ゴメン
サボらさせてもらう
「私もサボるからいいよ、話して」
声をおとして黒瀬君が話し始めた
「最初に言いたい
俺は傷つけるために昼休みに呼んでいたわけじゃない。
さっきも言ったとおり楽しかったんだ。
家では邪魔者扱いで
学校では何でもできるとか思われて
どこも落ち着ける場所なんてなかった。
そんなとき、山名といれるようになってから昼休みがたまらなく待ち遠しく思うようになった。
からかうと面白い反応が返ってくるし
特に会話がなくても自然でいられた…」