一途につくす執事




はぁー。王子はめんどくさいし、高宮は……

私、どう思ってるんだろう。


「やぁ。探したよー。大変だったんだよ?」 

「…………」

あきれた。

無視をして、どこかへ行こうとすると引き止められた。

「なに?」

冷たく返す。

「俺、君とほんとうに付き合いたいんだよ。」

プレイボーイのくせに。真剣な顔もつくりだろう。

「私、好きじゃない。」

「好きにさせてみせるからさー。」

「させるとか、強制っぽい。」

「男はみんなそう。独占したいんだよ。」

高宮も…?

「男は愛を常にささやきたいんだよ。」

「そうかもだけど、独占するような愛はいらない。」

「じゃあ、優しくすれば振り向いてくれるの?」

「違う!」

思わず叫んだ。

違う……。そんなの……。あの人達と一緒…。



立ち尽くしていると、アルクは手を伸ばしてきた。
そして、抱きしめようとした。

 
「やめろ。」

私はその声にはっとした。

顔をあげると、高宮の腕の中にいた。

「た……え…?」

現実についていけず、パニックする。

「俺は王子だぞ!その手を離せ!」

「いやだ。王子と執事の会話じゃない。男の話だ。」

あぁ。だから敬語じゃないんだ。

じゃなくて、なんで私なんかの……

「くそっ。俺はあきらめないからな。」 


王子が離れていった。
 
「ごめん。陰陽師。」

体を引き離した。

「待って!」

すぐさま、服をつかんだ。

その行動に剱水はかなり驚いた様子だった。

「どうして、私なんか…。冷たくしてるのに。」

「さぁ。とりあえず、他の男にとられるのがいやだった。」

な、なにそれぇ~!

「おまえ、顔赤いぞ?風邪か?」

すかさず頬を触る。そんなに?!
そんなに赤いの?!

「違うもん!べ、別に高宮の言葉なんか……」

「………////」

なんだ。こいつ、可愛いじゃんか……。
  

「でも、ありがとう。」

「お、おう……」