出た。一番しつこい王子がこっちにやってきた。名はアレク。
彼はプレイボーイだ。すごくめんどくさい。
「やぁ。咲羅ちゃん。」
無視をする。
「ひどいなー。俺、君のために会いにきたんだよー」
「知らない。」
「君もそろそろ僕が足りないかと思って。」
手をのばしてきたので、振り払った。
「触らないで。」
「えー。どうしてー」
「嫌いだから。」
私はその場から立ち去ろうとした。すると、急に手をつかみ、
「どうしたら、君は振り向いてくれるの?」
彼の言葉に大半の女子は落ちるらしい。だが、私には全く理解出来ない。
「しつこい。離して」
外そうとするがとれない。すると、
「咲羅様が困ってらっしゃいます。やめてください。」
高宮がアレクの手を離した。
私はさっき無表情でいたのに、なんでいやだと分かったのだろう。
誰一人、分からない顔なのに。
内心を読み取るとか、やっぱり見透かされている。
「なんなんだ。高宮。変人か?」
「え……」
「だから、私の気持ちを……。……やっぱいい。別のところに行く。ついてくるなよ。」
「かしこまりました。」
私は、その場から立ち去った。


