玄関に入ると、殺風景な部屋が広がっていた。 机、本棚、ベッド。 しかない。 「蒼太くん、自炊してるの?」 「あー、まぁできるだけ」 「……料理覚えてくるんだった…」 がくっと肩を下げる。 作りおきとか、してあげたかったのにな。 「んで、花梨さん」 「はい」 「なんでいきなり来た?」 心なしか、ちょっと怒っているような蒼太くん。 「お母さんには言ったわけ? 彼氏だけど俺、男だからな、 分かってる?」