まるで、わがままを言う子供を慰めるお父さんのように頭を撫でてくる。
その手が優しくてあったかかった。
「でも、俺ら藤宮がいたおかげでこうやっていられるのかもな」
「確かに・・・」
あんなにひどいこと言われて、傷ついたけど、桃に悠斗と引き離されなかったらここまで好きかどうかわからなかったと思う。
それに、悠斗にちゃんと自分の想いを言えたことも・・・。
だから、桃には少なからず感謝してる。
だから、それを会って伝えたい。
なのに会えないなんて・・・。
「そう、くよくよするな!」
また悲しくなって俯いたあたしに悠斗が声をかける。
あたしはゆっくり悠斗に視線を合わせる。
「何回でもLINEや電話すればいいじゃねぇかよ。いつか絶対、藤宮は返してくれるはずなんだから」
心強いその言葉に自然と頬が緩んでく。
「ありがと、悠斗・・」
あたしが笑うと釣られて悠斗も笑顔になる。


