「これでだいたい分かった?」



この状況を把握した乃埜先輩が丁寧に説明してくれた。



簡単に説明すると智果と望先輩が兄弟で



桃とさっきのうるさい男子、塚本君が付き合っていて



あたしが昨日助けてもらったのが夏木悠斗なわけなんです。



「・・・ねぇ、なんで塚本君はあたしの名前知ってるの?」



ふと疑問に思ったのは塚本君があたしの名前読んだこと。



あたしは名乗った覚えないのに。



「それは桃から聞いてんのもあるけど一番は人気があるからだよ」



「人気?」



「知らないの?江ノ沢ちゃん可愛いから結構人気あるんだよ男子から」



「へ、へぇーそうなんだ」



別にモテたっていい事ないし!!



あたしは心の中で小さく呟いた。



「まぁ、そんなこと置いといて今日皆に集まってもらったのは資料をまとめて来てもらうためだから」



たんたんと話す乃埜先輩を見る。



まぁ、資料って言ってもそんなに多くないでしょ。




なんて気軽なこと考えていたら・・・。



「はい、これ初ちゃんのね」



どさっと置かれたファイルの山。



「これ・・・一人分ですか?」



「そうよ。今回は合同だから仕事量も昨年の二倍だからね!」



当たり前のように話す乃埜先輩とは対象的にどんどん青ざめてくあたし達。