『それ、初っぽくないよな』




『そうかな?でも、これはお母さんにもらった物だから大切なんだ』




ハンカチを見つめながらにっこり微笑んだ初のことを思い出す。




やっぱり、これってあいつのだ・・。




てことは、ここに初はきたのか?




あれはやっぱり初だったのか?




そのハンカチを見つめながらふと目に入ったシーツの大きなシミ。




・・あいつ・・・泣いてたのか・・?




藤宮は俺が起きた時に来たから泣いてるところなんて見てないし、泣くなんてありえないくらい笑ってた。




「・・・お前は、何を考えてんだよ」



全く、初の考えてることが分からない。




好きな人が出来たからって俺と距離を置いたくせにわざわざ俺に会いに来て、泣いて・・・。



なぁ、初。




お前は何を考えて、何を想ってる?




お前はなんで泣いたりしたんだよ。




ただ初のハンカチを握りしめうなだれるしかなかった。