「ん?なに笑ってんだ?」 不思議そうな表情であたしの顔を覗く。 「ううん。なんでもない」 少し微笑みながらそう返す。 「よし、乾いてきたし。そろそろ行くか?」 「うん!」 差し出してきた悠斗の手をしっかりと握って、歩き出した。 「ずいぶん暗くなったね」 「そうだな」 ふと空を見ると赤く染まりつつあり、グラデーションのようになっている。 「ねぇ、観覧車乗って締めにしよう!」 「ふっ、そうだな」