「…うん、大体は紹介したかな」



「そうか。ありがとな、菜々美。」


隼輝が私の頭をぽんぽんっとなでる。



「…っ!か、勘違いしないでっ…
暇だったから…暇つぶしだからっ!」



「…はは。わかってるよ。
とはいえ、なにかお礼をしないとな。」



「い、いいよ、お礼なんて。
本当に…暇つぶしだから。」



「そうか…?」



「うん。じゃあ私戻るね。…じゃ。」




くるっと彼らに背中を向けた私は

いいことを思いついた、と
彼らが微笑みあってることなんて
全然気づかなかった。