~凛~(RIN)
「俺と付き合って下さい!」



たった今、俺の長い長い片思いが終わった。

叶わない恋だと分かっていたんだ

これでスッキリしたんだと
もう、終わったんだと
そう、自分に言い聞かせていたんだ
そしたら
「キャッ」
一人の女と、ぶつかっていた。

「すみません。大丈夫ですか?」

「あっ!すみません、こっちがよそみしてたのでっっ ? 泣いているんですか??」

「えっ?」
自分でも、ビックリした
彼女に言われるまで気づかなかった

「すみません。色々ありまして…失礼します」

「あのっっ!」

「!?」

「これ、どうぞ
悲しい時とか元気がない時に、こうやって
この、キャンディーに
う~~~っと、力をこめてから
食べると元気になりますよ!」

「ぷっ、ははははは」

「?」

「そうですか、分かりました。そうやって
食べますね クククッ」

「あっ!ばかにしてるでしょー!」

「いや、そういう人も、いるんだなと」