「…神崎くん。
俺は君より優衣ちゃんを好きだし、幸せにする自信もあるよ。」
「室戸、お前、植竹から離れろっ」
「好きな人が泣いてたから抱きしめてただけだけど?」
「っ.......」
………神崎、汗びっしょり。息もあがってるし…
私の事、探してくれてたの?
「植竹、お前こいつのこと…好きなのか?」
「私、私は、、
櫂くんのこと、好きだよ?
けれど、それはお友達としての好きで…
男の子として好きな人は他にいる….」
私の言葉を聞いて黙る神崎。
「優衣ちゃん…。
ちゃんと神崎くんに気持ち伝えなよ…?
…好きなんだろ?」
神崎に聞こえないように小さな声で櫂くんが言った。
「うん。
ありがとう、櫂くん。」
「神崎くん!心配しなくても平気だよ。
俺、優衣ちゃんにフラれたからさ。
安心しなよ 笑」
「そ、そうかよ…。」
櫂くんは神崎の耳元で何か言ってから空き教室を出ていった。
櫂くん、ごめんね。
沢山優しくしてくれたのに気持ち返せなくて…
いつも明るく笑ってくれる櫂くんを見ていると元気がでて、一緒にいてすごく楽しかった。
そういえば、櫂くんの言葉を聞いた瞬間、
神崎の眉間の皺が深くなったけど....
いったい何を言ったんだろう…。