「優衣ちゃんてさ、彼氏いるの?」
櫂くんのいきなりの質問に驚く。
「彼氏なんて…いたことないよ」
「まじ?!
…そっか!いなくてよかった」
私に彼氏なんて夢のまた夢。
男の子ともそんなに話さないし…。
話すのは櫂くんと、神崎くらい。
「じゃあさ!好きなやつは?」
ドキン…っ
ふと頭に浮かんだのは隣のクラスのいかつめのあいつ。
いや、好きではない!
少し優しいところもあるなって思ってただけで、、
私の理想は甘い言葉とかもサラッと言ってくれて、爽やかな王子様みたいな人。
「え、えっと…いないっ…かな?」
「優衣ちゃんオロオロしてる笑
俺は優衣ちゃんのことが好きだよ。」
「え!す、好きっ?!」
突然の言葉に声が裏返ってしまった。
「うん、だからさ?
…俺のこと、もっと知って欲しい。」
もう頭がこんがらがってわからない。
櫂くんが、私を?
いやいや、でも恋愛としての好きとかじゃない場合も…。
けど、今の言い方だと…
「混乱しすぎでしょ笑
あのさ、今日の放課後一緒に帰らない?
俺、優衣ちゃんと一緒に行きたいところあるんだ♪」
「わ、かった。」


