やがて細い路地から、大きな通りへと出る。

露地ほど暗くなく、ネオンで照らされている。

「!」

丁度目の前がバスの停留所で、バスが停車していた。

何処に行くバスなのか、全く確認していない。

しかし一人で走り回って逃げているよりはマシ。

美奈はバスに飛び乗る!

出発直前だったのか。

そのままバスの扉が閉まり、発車する。

「……」

とりあえず、安心か。

呼吸を整えながら、美奈は座席に腰掛ける。