少しばかり仮眠をとろう。

そう考えた美奈の耳に。

「…………!」

息遣いが聞こえた。

浅い眠りに入ろうとしている美奈の寝息ではない。

荒い、獣のような息遣い。

長い周期で、はぁー…はぁー…と。

気のせいかとも思った。

だが、自らの息を殺して耳を欹てると、確かに聞こえる。

はぁー…はぁー…はぁー…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…は…は…は…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ!はっ!はっ!はっ!

次第に荒くなってくる息遣い。

聞こえてくるのは、美奈の真下から。