「言え!」

今にも暴力に訴えそうな勢いで、男の胸倉を摑む巽。

倉本が窘めるが、巽は手を緩める気配はない。

始末書などクソくらえだ。

事態は急を要するのだ。

凄む巽に気圧されたように。

「…う會だ…」

男は蚊の鳴くような声で自供する。