航空便により麻薬を密輸するには、服の下、肌に直接テープで貼り付ける手口が一般的だ。

この手口は日本でも馴染みが深い。

大麻のパックを体に貼り付け、成田空港でお縄に掛かる輩が稀にいる。

この手段の欠点は、犬に弱い事。

空港に優秀な麻薬犬がいると、すぐに嗅ぎつけられてしまう。

臭いの問題に対応するには、隠し場所を工夫しなくてはならない。

手軽な所では、パックに詰めた麻薬をシャンプーのボトルに入れる手段が有効だという。

この手段だと犬も嗅ぎつける事ができないらしい(注.絶対に試さないように)。

しかしシャンプーのボトルでは、隠せる麻薬は少量だ。

だからといって、何本もボトルを所持する訳にはいかない。

税関で怪しまれてしまう為だ。

麻薬犬に嗅ぎつけられず、一度に沢山運べる方法。

それは、体の中に隠す事だ。

人間の体には、麻薬のパックを詰められる所が数ヶ所ある。

肛門から直腸に詰めたり、女性器の中に隠したり…。

驚いた事に、これらを試みる運び屋は多いという。

無理すれば500グラムは入るらしい。

もっと大量に隠したい場合、最後の手段として口から飲み込む方法がある。

シンガポールの空港で捕まったアフリカ人が試みた作戦だ。

麻薬は飲み込める大きさのカプセルに詰める。

避妊具をパックとして使うケースも多いという。

体格の大きい運び屋ほど、沢山の麻薬パックを飲み込める。

最高で1キロだそうだ。

目的地に着いたら、飲み込んだものを出さなくてはいけない。

出すのは肛門からになる。

特殊な下剤を飲み、強引に流し出す。

運び屋となる者は、事前に相当のトレーニングを積んでから仕事に入るらしい。

しかし、幾らトレーニングを積んでも危険は伴う。

最大の危険は、体の中でパックが破れてしまう事だ。

飛行機の中でパックが破れると、どうしようもない。

大量の麻薬が体内に回り、ショック死する。

実際に世界の空では毎年、必ず数名がショック死しているという。