「…で、あのクリスって人は帰国したの?」

診療所。

倉本を呼びつけた美奈は、その後の顛末を聞く。

「ああ…バスソルト流通ルートの解明と壊滅までの合同捜査だ…一応の解決を見て、彼はロス市警に帰った」

『美奈の前では何もかも吐き出していい』

そう彼女に言われた倉本だが、彼は何もかも背負い込もうとする傾向がある。

そんな難儀な性格が、言われてすぐに治るものでもなく。

訥々と話す姿を見る限り、長期の『治療』が必要だと美奈は溜息をついた。