「嘗めてんのか小僧」

アスファルトに叩き付けられて悶絶する巽を見ながら、古賀は吐き捨てるように言う。

「そんな曲芸みてぇな蹴りが入るように見えたか?」

「くっ!」

クリスと倉本が同時に動く!

古賀に詰め寄って、左右の拳のコンビネーション!

しかし古賀は、これを躱し、捌き、避ける。

有効打が一発も入らない!

「おめぇらはわかってるじゃねぇか。喧嘩に派手な技は要らねぇ。地味だが相手をぶち殺せる技さえありゃあいい。だが」

古賀のボディブローが、クリスを懐から弾き出す!

「胴ががら空きだ」

「クリス!」

思わず振り向く倉本の頬に、古賀の右フックが叩き込まれる!

「おめぇは喧嘩の最中に余所見なんて問題外だ」