圧倒的な威圧感。

巽達三人は勿論、検問に当たっていた数十人の警察官達まで、古賀の立ち姿に畏怖する。

何をした訳ではない、ただ立っているだけだというのに。

「どうした」

古賀が呟く。

「確か、逮捕する…とか抜かしてなかったか?」

明らかに挑発と受け取れるその言葉に。

「この野郎!」

巽が動く!

環を拉致され、酷い責め苦を味わわせた罪、この男に購わせなければ気が済まない。

一気に間合いを詰め、跳び後ろ回し蹴りを仕掛けた巽は。

「っはっっ!」

カウンターの右ストレートで吹き飛ばされた。