「倉本ぉおぉおぉっ!」

組員の一人が、猟銃を構える。

犯罪者や暴力団にとって、二匹の『野獣』巽 英二と倉本 圭介は名の知れた刑事だ。

治安を脅かす者相手なら、容赦なくその牙で食らいつき、食い千切る、まさしく野獣のような男達。

下手な極道よりもえげつない手段で、徹底的に悪党を追い込む。

そんな『野獣』相手なら、遠慮なく銃器をも向ける。

しかし。

「!?」

猟銃を発砲する直前で、倉本は銃口を摑んで下に向け、射線の方向を変える。

そうやって猟銃を無効化した所で、組員の顔面に肘打ち!

その鮮やかな手捌きに、周囲の組員達はたじろいだ。

猟銃を持っていても太刀打ちできない。

倉本の強さは本物だった。