「あれが仁道會の組長、古賀 磯継…」

「美奈さん…どうした?」

美奈の様子がおかしい事に気付いた倉本が、声をかける。

「私…この男に会ったわ」

「何」

美奈の言葉に、倉本だけでなくクリス、巽も振り向いた。

逃避行の途中で古賀と遭遇した事、彼が恐らくはサイコパスと呼ばれる反社会的人格の一種である事。

医師としての立場からも、美奈は自分の見解を述べる。